第10講

ヒント — これだけ知れば指示できる

コードを構造化し(第8講)、システムを構造化した(第9講)。残りはデータ。データが最も危険。コードのエラーはテストが、システムのエラーは/healthが捕まえる。データのエラーは誰も気づかない。3ヶ月後の四半期レポートで発見する。

エージェントに:「JSONBではなく明示的なカラムと制約でスキーマを作って。amountは0より大きく、statusは決められた値のみ許可。」

エージェントに:「このExcelをDBに入れて。DDLの制約を守ること。制約違反の行は別ファイルに出してレポート。」

エージェントに:「DDLを修正してyongol validateを通して。マイグレーションファイル生成、失敗したらロールバック。」

DBを知らないあなたがすべきことは「何を保存するか」を決めるだけ。


なぜこう指示すべきなのか

データはコードより先に腐る

コードのエラー → テストが捕まえる。システムのエラー → モニタリングが捕まえる。データのエラー → 誰も気づかない。

Agent Operable Dataの4条件

1. スキーマが宣言されている。 DDLがデータの契約。型、制約、関係が明示的。

2. 変換が検証可能。 マッピングルールが宣言的で、前後の不変量が検証可能。

3. 出所と時点が追跡される。 source、created_at、created_by。

4. データ変更にもラチェットが適用される。 DDL → validate → マイグレーション(up + down)→ staging → production(承認)。

スキーマは私が立てる法だ

第5講の「制約は契約だ」の原理がデータに直接現れる。スキーマは何が有効なデータで何がそうでないかを 定義(定義) する。NOT NULL、FOREIGN KEY、CHECK — この制約を通過しなければデータは保存されない。

法は正義(justice)ではなく定義(definition)だ。

スキーマのないデータは法のない社会。

同じパターン、異なるドメイン

第8講:コード第9講:システム第10講:データ
読めるかfilefunc/healthDDL
検証できるかgo test + tsmaCI/CDDB制約 + Rego
戻せるかgit revertイメージロールバックmigration down

すべて同じ構造:宣言し、検証し、固定し、永続する。


ビジョン

何を学んだか結果
1バイブコーディング「言えばコードが出る」
2なぜ壊れるかドリフト、コンテキスト消失、おべっか
3どう防ぐかHurl、Git、CI/CD
4200エンドポイントの壁yongol — 宣言的SSOT
5手綱のあるAIReins Engineering 3本柱
6固定して進むRatchet Pattern
7おべっかを逆手にIFEval
8コードを構造化filefunc + tsma
9システムを構造化Agent Operable System
10データを構造化スキーマ = 法

言えば作ってくれる。 コードだけでなく、システムもデータも。 そのためには手綱があり、線路があり、法がなければならない。 その手綱と線路と法を設計するのがReins Engineeringだ。


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Reins Engineering 全講義

タイトル
第1講AIへの指示の仕方
第2講AIを信じない方法
第3講壊れないアプリ
第4講決定をコードの外へ
第5講手綱のあるAI
第6講通過したら固定する
第7講おべっかを逆手に
第8講エージェントの工場
第9講コードを超えた自動化
第10講データの法

根拠資料出典

  • E.F. Codd, “A Relational Model of Data for Large Shared Data Banks” (1970)
  • OPA / Rego — 宣言的ポリシー言語
  • yongol DDL → sqlc — スキーマから型安全コードまで断絶なし交差検証
  • 法治主義(Rule of Law)原理 — 検証可能性、違反の定義、強制可能性