第5講

ヒント — これだけ知れば指示できる

AIコーディングツールの限界は柵(ハーネス)だけで方向(手綱)がないこと。リンター、フォーマッター、CIが「外に出るな」と言うが「こちらへ行け」とは言わない。コードが「きれいだが間違った」状態でプロダクションに届く。

核心原則:モデルを変えるな、契約を追加せよ。 同じモデルでもフィードバック構造によって40で止まったり527を完走したりする。

Reinsの3本柱:決定論的フィードバック、ラチェット固定、決定と実装の分離。1つでも欠ければ収束が壊れる。


なぜこう指示すべきなのか

4つの時代

1世代:プロンプトエンジニアリング — 一回限り。2世代:コンテキストエンジニアリング — 第1講。3世代:ハーネスエンジニアリング — 柵、方向なし。4世代:Reins Engineering — 手綱、方向あり。

柵と手綱の違い

:牧場の柵。馬は自由に歩き回るが目的地に着かない。手綱:馬に乗って手綱を握る。馬は自由に走るが方向はあなたが決める。

3本柱

柱1:決定論的フィードバック。 意見ではなく事実。「41行目:フィールド名不一致」 — おべっかの余地なし。

柱2:ラチェット固定。 通過したら固定。前へ。40 → 527 — 「終わり」を誰が決めるかの差。

柱3:決定と実装の分離。 決定はSSOTに、コードは使い捨ての投影。

Symbolic Feedback Loop — 電車より線路

LLMが生成 → 決定論的ツールが判定 → 結果をLLMに返す → 繰り返し。go testは幻覚を見ない。yongol validateはおべっかしない。

「モデルを変えるな、契約を追加せよ」

人治主義 vs 法治主義。賢い王に頼るのが人治。法に頼るのが法治。契約を追加するのが法治主義。


関連記事

Reins Engineering 全講義

タイトル
第0講Claude Codeのインストール
第1講AIへの指示の仕方
第2講AIを信じない方法
第3講壊れないアプリ
第4講決定をコードの外へ
第5講手綱のあるAI
第6講通過したら固定する
第7講おべっかを逆手に
第8講エージェントの工場
第9講コードを超えた自動化
第10講データの法
第11講失敗したvibe codingを救う方法

根拠資料出典

  1. Carnegie Mellon University, MSR 2026 — コード複雑度41%永久増加
  2. Google DORA Report, 2025 — AI導入25%増加ごとに配信安定性7.2%低下
  3. TDAD, ACM AIWare 2026 — 手続き的指示は回帰を悪化、具体的コンテキスト提供で70%減少

変更履歴

  • 2026-05-24: 初版