第3講

ヒント — これだけ知れば指示できる

4つのフレーズがすべて。

エージェントに:「Hurlテスト作って」 → 機能の動作確認契約書をAIが作成。コードを知らなくても読めるplain text。

エージェントに:「この機能追加して。ただし既存Hurlが通ること」 → ドリフト防止の一言。

エージェントに:「コミットして」 → うまくいっている状態をセーブ。

エージェントに:「元に戻して」 → 最後のセーブポイントに復帰。

これがラチェット。前にだけ進み、後ろに戻らない歯車。

なぜ効くのか? 第2講で学んだ。意見を与えればおべっかし、事実を与えれば修正する。Hurlが返すのは意見ではなく事実だ。


なぜこう指示すべきなのか

Hurl — API契約をplain textで宣言する

Hurlは「このAPIがどう動くべきか」を書いたファイル。コードを知らなくても読める。Hurlが検証するのはコードではなく振る舞い。 コードはAIが自由に変えてよい。振る舞いは変わってはいけない。

TDAD研究(2026):「TDDをしろ」という手続き的指示 → 回帰率9.94%に悪化。「このテストファイルが通るべき」という具体的契約 → 回帰70%減少。

Git — 戻れるセーブポイント

ゲームのセーブ。「コミットして」と「元に戻して」の2つだけ。

CI/CD — 機械が自動で守る

コードをプッシュするたびに自動でHurlテストを実行。火災報知器のように。

3つが合わさると:ラチェット固定

機能完成 → Hurlテスト → 全パス → コミット → 固定。新機能追加時に既存テストが壊れたらコミット拒否。前にだけ進む。


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Reins Engineering 全講義

タイトル
第1講AIへの指示の仕方
第2講AIを信じない方法
第3講壊れないアプリ
第4講決定をコードの外へ
第5講手綱のあるAI
第6講通過したら固定する
第7講おべっかを逆手に
第8講エージェントの工場
第9講コードを超えた自動化
第10講データの法

根拠資料

  • TDAD (Test-Driven AI Development) 2026 — 手続き的指示で回帰率9.94%に悪化、テストファイルをコンテキストに提供で回帰率1.82%に70%減少
  • Ratchet Pattern実験 — 自律エージェント40/527 (7.6%) vs ラチェットCLI 527/527 (100%)