
ヒント — これだけ知れば指示できる
Claude Codeのインストールは1行だ。
ターミナル(黒い画面)を開いて下の1行を貼り付ける。以上。
エージェントに:「curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash」
Windowsユーザーは先にWSL(Linux環境)をインストールする必要がある。PowerShellで「wsl –install」を実行して再起動。
指示に使う5つのキーワード
- API — プログラム同士の対話規格。「API作って」
- フロントエンド — 目に見える画面。「Reactで画面作って」
- データベース(DB) — データを保存する場所。「DBに保存して」
- コミット — 現在の状態を保存するセーブポイント。「コミットして」
- デプロイ — インターネットにアップすること。「デプロイして」
この5つの言葉で方向を指し示せる。残りはAIが理解する。
AIの記憶は3つのファイルで管理する
- CLAUDE.md — プロジェクトのルール。AIが毎セッション開始時に自動で読む。「私たちのチームはこう働く」を書く
- 要件.md — あなたの決定の記録。「VIP割引率10%」のようなビジネス決定を日付とともに書く
- 進捗.md — どこまでやったか。新しいセッションで「続きをやって」が通じるようにする
3つとも Markdown。コードを知らない人でも読み書きできる。
指示のコツ
- 一度にひとつずつ指示する。「ログインAPIをまず作って」の方が「全部まとめて作って」より良い
- エラーが出たら Claude Code が自動で確認して修正する。自分でコピーする必要はない
- 対話が100ターンを超えるとAIの品質が落ちる。新しいセッションを始めるが、上の3ファイルを更新しておく
体験してみよう
Claude Codeをインストールして最初の会話をしてみる。5分で終わる。
- ターミナルでプロジェクトフォルダを作って Claude Code を実行
エージェントに:「mkdir -p ~/projects/my-first-app && cd ~/projects/my-first-app && claude」
ブラウザでログイン(初回のみ)
最初の会話を始める
エージェントに:「このフォルダにGo Ginサーバーを作って。ポート8080でHello, Worldを返すAPIひとつ。」
AIがファイルを作り、サーバーを立ち上げ、確認までしてくれる。ブラウザで http://localhost:8080 を開いてみる。
なぜこう指示すべきなのか
あなたはすでにAIに言葉で指示して何かを作った経験がある。画面が出て、ボタンが動いて、データが保存された。でも一つ疑問が残っているはずだ。
「これを拡大し続けても大丈夫なのか?」
この疑問に答えるには、まず今自分がどこに立っているかを正確に見なければならない。どんなツールがあり、どんな用語が飛び交い、どんなパターンで仕事をしているのか。第1講は地図を広げる時間だ。第2講からはこの地図の上に道を作る。
AIコーディングツールの地形
言葉で指示するとコードを書いてくれるツールがいくつかある。大きく2つに分かれる。
エディタベースのツール — コードエディタの中にAIが組み込まれている。Cursor、GitHub Copilot、Windsurfなど。コードを見ながらAIに修正を指示する。プログラマーには良いが、コードを読まない人には画面上のコードは意味のない文字だ。
ターミナルエージェント — ターミナル(黒い画面)でAIが自分で判断して実行する。Claude Code(Anthropic製)、Codex CLI(OpenAI製)。ファイル作成、テスト確認、エラー修正まで自律的に行う。この自律的検証ループがエディタベースとの決定的な違いだ。
なぜ Claude Code なのか
Claude Codeは現在、ターミナルエージェントの中で最も複雑な複数ファイル作業を自律的に処理する能力に優れている。トークンはAIが読む文字の塊の単位で、200K(20万)は小説1冊分、1M(100万)は小説5冊分。Claude Codeは200Kの基本コンテキストに加え、Opus 4.6モデルは1Mまでサポートし、プロジェクト全体を一度に把握して複数ファイルを同時に修正できる。
Claude Code のインストール
ネイティブインストール(推奨)
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
インストール後の確認:
claude --version
バージョン番号が出れば成功。
初回実行と認証
mkdir -p ~/projects/my-first-app
cd ~/projects/my-first-app
claude
初回実行時にブラウザが開いてAnthropicログインを要求する。ログインすれば認証完了。
キーワード辞典
コードを読まなくてもAIに指示するには最低限のキーワードが必要だ。プログラミング用語を全部覚える必要はない。方向を指し示せる程度で十分。
バックエンド — 見えないエンジン。サーバー側のプログラム。API、エンドポイント、サーバー、Go、Gin、FastAPI、Node.js。
フロントエンド — 目に見える画面。React、コンポーネント、SPA、CSS。
データベース — 記憶装置。PostgreSQL、テーブル、DDL、CRUD、SQL。
デプロイ — 世に出すこと。Docker、AWS、デプロイ、CI/CD。
その他 — Git(セーブ)、コミット(セーブボタン)、GitHub(クラウドセーブ)、ターミナル、JSON、環境変数。
コンテキスト管理 — AIの記憶を扱う方法
AIにとって最も重要なのは「賢いモデル」ではなく コンテキスト だ。コンテキストとはAIが今覚えている全情報。問題はこの記憶に限界があること。
CLAUDE.md — プロジェクトの憲法。AIが毎セッション自動で読む。
要件.md — 決定の記録。日付付きで。
進捗.md — 現在地の表示。「続きをやって」が通じる。
AIの記憶をAIに任せるな。ファイルに出してあなたが持て。
バイブコーディングパターン
バイブコーディングという言葉を最初に使ったのはAndrej Karpathy。フィーリング(vibe)でコーディングする。コードを読まない。画面でクリックして入力して確認する。
基本フロー: アイデア → AIに指示 → 結果確認 → 修正依頼 → 繰り返し
3つの機能までは魔法のように速い。このパターンの限界 — 5つの機能を超えると不思議なことが起き始める。答えは第2講で。
実習:ToDoリストアプリを作る
Claude Codeの1セッションでToDoリストアプリを作り、3つの機能を追加する。30-60分。
Step 1-4:基本アプリ作成 → 優先度追加 → 期限追加 → 検索追加 Step 5:CLAUDE.md作成 Step 6:要件.mdを自分で作成
第1講まとめ
- ツールの地形:エディタベース vs ターミナルエージェント
- Claude Code:自律的検証ループ、大規模コンテキスト
- インストール:1行
- キーワード:方向を指し示せる程度で十分
- コンテキスト管理:CLAUDE.md、要件.md、進捗.md
- バイブコーディング:3つまでは魔法、5つから亀裂
課題
- 機能を2つ追加してみる。どこまで順調か、どこから変か観察する。
- CLAUDE.md を自分で読んで修正してみる。
- 新しいセッションで「続きをやって」を試す。CLAUDE.mdの有無の差を観察する。
Reins Engineering 全講義
| 講 | タイトル |
|---|---|
| 第1講 | AIへの指示の仕方 |
| 第2講 | AIを信じない方法 |
| 第3講 | 壊れないアプリ |
| 第4講 | 決定をコードの外へ |
| 第5講 | 手綱のあるAI |
| 第6講 | 通過したら固定する |
| 第7講 | おべっかを逆手に |
| 第8講 | エージェントの工場 |
| 第9講 | コードを超えた自動化 |
| 第10講 | データの法 |