ダイソンミラーを作る工場でコーティングを省けば気候サンシェードになる。小惑星1つの1%で2度を取り戻す。撤去すれば元通り。

最近、気候変動のニュースを見るたびにため息が出る。炭素を減らそう、EVに乗ろう、肉を控えよう……全部正しいけれど、スピードが追いつかない。パリ協定の目標1.5度はもう超えたし、2度のラインも揺らいでいる。

ところが最近知ったプロジェクトがひとつある。突拍子もないようで、計算はちゃんと合う。

太陽と地球の間にサンシェードを設置しよう。

太陽と地球の間に何を置くって?

太陽と地球の間に SEL1 という地点がある。地球から太陽方向に約150万km離れた場所。ここに物体を置くと、太陽と地球の重力が釣り合って浮いていられる。

この位置に 薄い金属膜 を広げれば、太陽光の一部を遮断できる。地球に入ってくるエネルギーをほんの少し減らすわけだ。

地球の気温を2度下げるには、太陽光の約1.5%を遮ればいい。必要なサンシェードの面積は約 200万km²。 メキシコの国土面積だ。

何で作るのか?

鉄-ニッケル(Fe-Ni)超薄膜フィルムだ。

小惑星から採掘した鉄-ニッケルを5マイクロメートル(μm)の厚さに延ばす。髪の毛の太さの1/10。この薄さなら重さは1平方メートルあたり 40グラム。 A4用紙より軽い。

200万km² × 40g/m² = 約8,000万トン。

多く見えるが、小惑星1986 DAひとつの推定資源量は 数十億〜100億トン。 小惑星1つの 1%も使わずに 地球の気候を元に戻せる。

そしてここが肝心なのだが──このサンシェードは 別途作るものではない。

ダイソンスウォームの副産物

DABEL5というプロジェクトがある。小惑星から鉄-ニッケルを採掘して宇宙にソーラーミラー(ダイソンスウォーム)を作るプロジェクトで、この工場がすでに稼働していれば:

ミラーを作る工場でコーティングしなければサンシェードになる。

同じ材料、同じ生産ライン、同じ工程。ダイソンミラーは光を反射するためにアルミニウムコーティングをするが、気候サンシェードは光を遮るだけでいいからコーティング不要。より安く、より簡単だ。

소행성 채굴 → 제련소 → 초박막 Fe-Ni 시트
                        ├── 알루미늄 코팅 → 다이슨 거울 (에너지용)
                        ├── 코팅 없음 → 기후 차양막 (지구 냉각용)
                        └── 코팅 없음 → 방열판 (모듈 냉각용)

気候制御が宇宙産業の 副産物 だということだ。

サンシェードが自力で飛んでいく

1平方メートルあたり40グラムなら、面積対質量比は25 m²/kg。この値なら 太陽輻射圧だけで航行可能な レベルだ。太陽光が膜を押す力で移動する。ソーラーセイルと同じ原理。

工場で作って宇宙に放てば、サンシェードは太陽輻射圧を受けながら 6〜12ヶ月かけてSEL1へ移動 する。推進剤ゼロ。燃料ゼロ。到着後も同じ輻射圧で位置を維持する。

成層圏エアロゾルより優れている理由

気候工学で最もよく議論される方法が 成層圏エアロゾル注入(SAI) だ。成層圏に硫酸粒子を撒いて太陽光を反射させるのだが、致命的な問題がある。

一度始めたら止められない。

エアロゾルを撒き続けて何らかの理由で中断すれば──戦争、経済危機、政権交代なんでも──それまで隠されていた温室効果が一気に噴き出す。「終了ショック(termination shock)」と呼ばれるもので、数十年かけて上がるはずの気温が数年で一気に上がってしまう。生態系が適応する時間がない。

さらにオゾン層破壊、降水パターンの変化、農業への影響まで。副作用が不確実だから国際合意が不可能だ。

SEL1サンシェードは? 撤去すれば終わり。 シェードを畳めば太陽光が元通りに戻る。大気化学に何の影響もない。

成層圏エアロゾル(SAI)SEL1サンシェード
中断したら?反動温暖化(終了ショック)元通り
大気化学への影響オゾン破壊、降水変化なし
精密制御低い(風で拡散)高い(膜の角度調整)
国際合意の可能性極めて困難比較的容易

冷却だけ? 加熱もできる

同じ装備で 加熱も可能 だ。

サンシェードの角度を変えて光を遮断するのではなく 特定地域に集中させれば 加熱になる。今は温暖化が問題だが、数万年スケールでは氷河期も来る。その時はモードを切り替えて光を集中させればいい。

双方向の気候制御。 エアコンでありヒーター。

現実性

明日すぐ作れるという話ではない。このサンシェードは小惑星採掘 → 宇宙製錬 → 超薄膜加工という 宇宙産業インフラが前提 だ。そしてそのインフラを構築するのがDABEL5プロジェクトの本体であり、気候制御はそのインフラの副産物だ。

逆に考えれば、気候変動の解決が宇宙産業の正当性を生み出す。

世界中が気候変動対策に毎年数千億ドルを費やしている。炭素回収、再生可能エネルギー、EV補助金……この予算の一部を宇宙ベースの気候インフラに回すのは、予算の論理としても成り立つ主張だ。

アポロ計画には冷戦という政治的推進力があり、GPSには軍事的必要性があったように──ダイソンスウォームの政治的推進力は気候変動 になりうる。

カルダシェフ1.0の本当の意味

カルダシェフスケールで1.0文明の定義は 「自分の惑星規模のエネルギーを制御する文明」 だ。

惑星の気候を能動的に調節できるということは──まさにカルダシェフ1.0の定義そのもの。気候制御能力 = K1文明の証。

DABEL5の設計ではこれは別プロジェクトではない。小惑星を採掘し、ダイソンスウォームを作り、宇宙産業を回す過程で自然と気候制御能力がついてくる。

소행성 채굴 → 우주 공장 → 다이슨 거울 자기복제 → K1 문명
                                  ↑
                        이 과정에서 기후 제어가 부산물로 딸려옴